秋風が吹き始めるこの時期には20年前のそんな昔のできごとを懐かしく感じる
通勤電車で通っていたころ、通勤途中で乗り換えのために降りる新宿駅や新百合ヶ丘駅といったターミナル駅で、コーヒーとジャーマンドッグを立ち食いしたときの雰囲気が忘れられない良い思い出として記憶に残っている。
京王線から新宿駅南口を通ってJRに乗り換える時、駅構内に古めかしい立ち食いバーガー店があった。(現在は改装されてチェーン店に変わってしまった。)
銀色にきれいに磨かれたステンレスのカウンターテーブルが調理人の周りを囲むように12メートルほどぐるりと配置されていた。
カウンターテーブルに椅子はなく、立ち食いスタイルだ。
朝でごった返す中、カウンターテーブルに40センチほどの人ひとりがやっと入れる隙間を見つけて、そこに陣取り注文する。
「ホットとジャーマンドッグ」
「はい、ジャーマンドッグですね」
特に寒い冬など、コートを着込んだサラリーマンが数百円のホットコーヒーとハンバーガーやジャーマンドッグにむしゃぶりつく。
注文すると、すぐに目の前にお皿が出される。
代金を払う。(300円ほどだったと思う。)
チューブ式の入れ物を押して、ケチャップとマスタードをジャーマンドッグにこれでもかとたくさんかける。
電車に乗り換える数分間で食べて、すぐにコーヒーを飲み干し、それぞれの乗り換え線のホームに向かう。
私はそのころ浜松町に通っていたので、山手線にぎゅうぎゅうに押し詰められたまま数十分我慢しなければならなかった。
1996年、このころの6年間は心底忙しかったし、人の3倍働いた。
やる気に満ちていたし、いまの自分のベースを形成した時期だと言えるだろう。
総務に提出する毎月の出張交通費の立替払いの精算額は10万円ほどにもなっていたし、コンピュータ関連の本と雑誌の購入費に月5万円ほど使っていた。
2017年、いまでは働き方も変わり通勤することもないし、公共交通機関にも滅多に乗ることはない。
コンピュータ本や雑誌も全く買うことはない。
秋風が吹き始めるこの時期には、20年前のそんな昔のできごとを懐かしく感じる。
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