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自分は何を作るためにここにいるのかを真剣に考え始めた

幼稚園児だったころから、私は女の子に良く見られたいためにすべての選択を決定していた。

はじめて書いて渡したラブレターは眼の大きな髪の長い幼稚園の先生だった。まだ「す」や「み」の文字が鉛筆でうまく書けなかった。

恋文と一緒に10円玉を山ほど封筒に入れて渡したら、先生が「これはもらえないわ」と言ってお金を私に返してよこした。

三つ子の魂百までとはよく言ったもので、大事なものを好きな人にあげたかったのだと思うが、私がものを買うのに値切ったりお金が大好きだったりするのはこの頃からだったのだ。

幼稚園ではよくおしっこを漏らすような成長が遅い子供だった。

その頃のことは断片的にしか覚えていないが、おしっこを漏らしては着替えさせてもらっていたことと鼻血を頻繁に出しては渡り廊下で寝ていたこと。そして、きみちゃんという可愛い子がいたことを覚えている。

小学生になっても机を並べた隣の女子とわちゃわちゃ話したりじゃれ合うのが楽しみで学校に通う意欲を得ていた。

そんな子供だった私が中学生になると、女の子を過剰に意識して女の子と距離を置くようになった。

「魚釣りと馬場と猪木とブッチャーのプロレスに明け暮れる日々」の始まりだった。

大人になるのが恐ろしく思えて、このままずっと釣りをして遊んでいたかった。

父が汗水かいて稼いだお金があってそんな暮らしが成り立っているのだとは全く考えもしなかった。

それから自分は何を作るためにここにいるのかを真剣に考え始めた。

私の父は家を建てたり墓地を造成したりという土木建築を生業にしていた。

大学に入るまで何もする気が起きなかったしわたしの頭は考えるためについているのか疑問に思えるような状態だった。

思えば私がアプリを作るようになったきっかけはたまたまアルバイトした特許事務所でキーボードの打ち方を覚えたことだった。

電気で動くそのチカチカする機械を操作するのが好きになった。

それから、電話帳に乗っている会社に電話しまくって仕事を取った。

アプリという私にうってつけのものが見つかって幸せだ。

アプリ作りが楽しくて仕方ない。

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